スミソニアン研究所 安原さんのセミナー

今日の表層セミナーでは、スミソニアン研究所で研究員をされている安原盛明さんに研究内容をお話して頂きました。

安原さんは、アメリカのワシントンDCにあるスミソニアン研究所で、海の底にすんでいる有孔虫(*1)や貝形虫(*2)を使って、深海や沿岸の生態系の変化について研究されています。具体的には、海洋底の柱状サンプル(コア)を使って過去100年〜1万年間を連続的に生態系の変化に注目して研究されています。

今回は、大阪湾とアメリカ沿岸部での研究結果をお話していただきましたが、沿岸域では人為的な活動の影響で海水が富栄養化し、生物多様性が減少しているという結果が示されたそうです。
生態学的なアプローチで過去100年、1万年というスケールで気候変動や人為的な活動に対して生態系がどのように変わってきたかを研究なさっている安原さんの研究は、気候変動という側面から過去をみている私にとってとても目新しいものでした。

*1有孔虫:海にすんでいる単細胞の動物プランクトン。世界中の海に生息していることから、過去の気候変動の復元や、生態系の変動を研究するのに使われている。

*2貝形虫:世界中どこの海にも生息している甲殻類(エビやカニの仲間)。これも、古生物学の分野で広く研究されてきた生物。