【今日の論文】Globigerinoides属の分類

journals.plos.org 【内容】 Globigerinoidesは、熱帯あら亜熱帯に分布する浮遊性有孔虫を代表する属である。 d'Orbigny (ドービーニー)によってGlobigerina rubraが1839年に命名された。 G. ruber の典型的な形態>G. ruber sensu stricto (s.s.) G. elon…

Clumped isotope vs Mg/Ca

Breitenbach, S. F. M., Mleneck-Vautravers, M. J., Grauel, A.-L., Lo, L., Bernasconi, S. M., Müller, I. A., et al. (2018). Coupled Mg/Ca and clumped isotope analyses of foraminifera provide consistent water temperatures. Geochimica Et Cosmo…

日本中部地方の鍾乳石のd18O

2週間前、Arizona 大学の Jay Quadeさんがブラウン大学でセミナーで話したときに、この論文の話題になった。 - Temperature and seawater isotopic controls on two stalagmite records since 83 ka from maritime Japan Mori et al. Quaternary Science Re…

中国鍾乳石の解釈、モデルから

引き続き、鍾乳石のd18Oの解釈を再考する論文。 2014年発行でHai Chengも共著者だ。Yongjin Wang も入っているところからも、中国鍾乳石グループの解釈としては、その場の降水ではなくこの結論のmonsoon windあるいは北部の降水、(降水のd18O)ということだ…

Deglaciaitonの中国鍾乳石の解釈

1ヶ月前のScienceから - Zhang et al., Science 362, 580–583 (2018) East Asian hydroclimate modulated by the position of the westerlies during Termination I - ハインリッヒ1(H1)とヤンガードリアス(YD)での中国鍾乳石のd18Oを解釈するために、tra…

有孔虫データベース

海外のサイトでよく使うのは、 Foraminifera data base http://www.foraminifera.eu/querydb.phpユーザーガイドもあった。 http://www.foraminifera.eu/files/ForaminiferaEuDatabaseUserGuide.pdf

底生有孔虫図鑑

後輩から、有孔虫の図鑑は何がおすすめですかと聞かれた。それほど図鑑は多くないが、底生有孔虫(大型以外)で写真が多くて網羅的なものという意味でおすすめは、以下の2つ。 どちらの著者も、この分野の第一人者である。他にも図鑑をいろいろ集めいている…

有孔虫スライド

有孔虫スライドを作っていた日本の会社がなくなってしまった。 海外ではどこの会社のスライドがいいのか、一昨年度の山形大での微化石研究集会MRC NOMでスライドを集めた。こっちにきてから、アメリカのスライドの会社を教えてもらった。 http://www.lakesid…

AnalySeries > QAnalySeries

AnalySeries は周期解析や日射量をダウンロードできたりするとても便利なツール。 なんといってもシンプルで重くなくて、使い方が簡単。waveletをやるのでなければ、これで事足りる。 しかし、Mac OS (32-bit)でしか動かない。最新のOS Mojavaまでは大丈夫だ…

地図ツール

地図ツールを教えてもらった。Macで動くアプリ。http://www.geomapapp.org/MacInstall.htmlGMTもたまにしか地図作成を行わないので、ちょっと使いたいというときに思い出すのに苦労する。MATLABでの作り方を覚えようか、どうしようか。。。 geomapもまだ慣れ…

周期解析

NASAのサイト https://exoplanetarchive.ipac.caltech.edu/docs/tools.htmlこのサイトで、等間隔でない時系列データのPeriodgramができる。 https://exoplanetarchive.ipac.caltech.edu/cgi-bin/Pgram/nph-pgramつまり、古気候古海洋の時系列データ(多くは…

Wavelet, Wavelet Coherence

MATLABでWavelet解析ツールはいくつかあるようだが、私はこれを使っている。 以下のウェブから、ツールボックスをダウンロードできる。 - Aslak Grinsted, John Moore and Svetlana Jevrejeva Cross wavelet and wavelet coherence toolbox for MATLAB[Websi…

PSU Solver

PSU Solverは、有孔虫のMg/Caとd18Oから塩分を考慮した式を使って、水温、塩分、d18Owの最適解を求めるコード。 MATLABで動く。塩分の影響がそれほど大きくないところだと、慣習的な水温のみのMg/Ca換算式で十分かもしれないが、塩分の変化幅が大きな河口付…

netCDFの編集

netCDFの編集ソフト。なかなか便利でした。http://nco.sourceforge.net/ 上記サイトからの抜粋ーーーー What is NCO? The netCDF Operators (NCO) comprise about a dozen standalone, command-line programs that take netCDF, HDF, and/or DAP files as in…

Ocean Data View

海洋データの図作成ソフトとして、素人にも比較的使いやすいのがOcean Data View.最近、新しいバージョンを再インストールしてやっとちゃんと動かせるようになりました。ウェブでダウンロードできるデータも、ODVで読み込める形式になっているものも多く、な…

GMTインストール

いまごろ?って感じですが、GMT(地図描写ソフト)をやっとインストールしました。 この前は研究室の後輩の鈴木くんにArcGISの使い方を教えてもらったのでこれで地図描きも楽々だと思っていたら、研究室共有のパソコンは水月湖の掘削に持って行かれてしまっ…

エルニーニョとエルニーニョモドキが中国の降水量へ与える影響

El NinoとEl Nino Modokiで中国の夏の東アジア夏季モンスーンによる降水分布の違いを調べた。El Ninoのdecay phase(衰退期;春ごろ)では、太平洋高気圧が強まるので南で降水量増加、北で降水量減少という結果になるが、Modokiの場合は、太平洋高気圧があま…

南極の氷床コアのCO2の炭素同位体比の記録

新着論文の紹介です。 + 5月11日のSceince誌から。 南極のヨーロッパチームのEPICAコアの二酸化炭素の炭素同位体比を分析して、退氷期の二酸化炭素の増加が何によるものだったかに、新たな制約を与えた論文。17000年前から15000年前にかけて、CO2の炭素同…

1961年から2008年までの海水面上昇とエネルギー収支

海水面上昇とエネルギー収支に関するレビュー論文。1961年から2008年までの海水面の上昇は、1年間で約1.8mm。 そのうち、0.8 mmが海水温の上昇、0.7 mmが山岳氷床や氷河の融け水(このうち、グリーンランドと南極の寄与は0.4 mm)。 + Revisiting the Earth'…

決断疲れ

クーリエ ジャポンの3月号に脳科学の特集が載っています。面白かったのは、脳の疲労についての最新の研究結果を書いた記事。記事によると、プリンストン大学のディーン・スピアーズは、インドの村で貧しい人たちにとっては高級な石けんを買わせる実験で、石…

Peace Research

コロラド大学 Roger Pielke教授のブログ(http://rogerpielkejr.blogspot.com/)で紹介されていましたが、Peace research に、"気候変動と紛争"に関する特集号が出版されたようです(http://jpr.sagepub.com/content/49/1.toc)。 Pielke教授のブログから以下…

2000年間の南方振動の記録

先日は、西赤道太平洋での温度躍層付近の水温復元から、過去のエルニーニョ南方振動(ENSO)の変動を復元する研究を紹介しましたが、今回は降水量から南方振動の復元を行っている論文を紹介します。 + エルニーニョ南方振動(ENSO)は、熱帯太平洋で大気と海…

過去150年間の沿岸域での化学肥料の影響

サンゴに関する論文。 +++ 人間活動による沿岸の富栄養化や汚染の原因を評価するのに適した道具として、窒素同位体比が用いられてきた。窒素の起源によって窒素同位体比の値が異なり、例えば下水だと8‰、農業用の化学肥料だと0‰という値をもつ。 特に、…

1000年間のENSOの記録

過去1000年間のENSO(エルニーニョ南方振動)に関する論文です。 + 海洋に生息するプランクトン、浮遊性有孔虫の炭酸カルシウムの殻は、海底堆積物の中に残り、過去の情報を保持している。 過去1000年間について、西赤道太平洋のインドネシア沖の海…

更けゆく秋の夜

犬童球渓の「旅愁」。秋になるとこの歌を思い出します。私が3年間を過ごした小学校では、毎年、犬童球渓音楽祭に出かけていました。 全校児童が60人という小さな学校でしたが、60人にはもったいないほどの大自然に囲まれた小学校でした。ふるさとを思い…

東シナ海陸棚上への黒潮の侵入

論文紹介です。 シミュレーションと観測データをあわせて黒潮と台湾暖流の挙動を調べています。10ページ程度でレビューもたくさんあり読みやすい論文でした。以下は、内容のつまみぐい。 + ・黒潮のsubsurface(亜表層)からの栄養塩の供給が、陸棚上の生物…

INQUAの報告

7月後半は1週間、スイスのベルンで開催されたINQUA(国際第四紀学会)に行ってきました。ポスター発表を行いましたが、なんとStudent Poster Award (学生ポスター賞)をいただきました。 大変名誉なことです。これからも精進いたします。

CMSIの記事

実は、半年ほど前から計算物質科学イニシアティブ(CMSI)というところにお世話になっております。 計算物質科学、つまり大型スパコンを使った研究を発展させていこうという組織なのですが、そこが発刊している広報誌をお手伝いしております。 【CMSI】 http…

科学コミュニケーションの視点

東大、地震研アウトリーチ室の大木聖子さんが 9月5日(月)にNHKの視点・論点に出演されるそうです。=== NHK総合 午前4時20分〜4時30分 再放送は,NHK教育 午後0時50分〜午後1時 ===テーマは、『地震の科学と情報発信』。大木さんは、地震研のアウトリ…

科学の楽しみ

文献を読んでいて、印象に残ったことば。 だれにとっても、いつかの時期に、人の言葉にたよらず、一から自力でなにかをま なんだ経験があるはずだ。自分がゼロからこつこつとまとめあげた知識、自分が体 験からまなんだ知識を人に話すことには、ある特別な満…