科学コミュニケーションの視点
東大、地震研アウトリーチ室の大木聖子さんが
9月5日(月)にNHKの視点・論点に出演されるそうです。
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NHK総合 午前4時20分〜4時30分
再放送は,NHK教育 午後0時50分〜午後1時
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テーマは、『地震の科学と情報発信』。
大木さんは、地震研のアウトリーチ室として地震の実学を伝えると同時に、地震学の学問としての限界も伝える活動を続けてこられました。
「科学コミュニケーションの役割は、ただ科学のすばらしさばかりを強調するのではなく、等身大の科学、つまり限界も伝えられるように、自分たちで自分たちを訓練していく必要がある」という信念を震災前から科学コミュニケーションのコミュニティに対して伝えてこられました。
科学の応援団になってしまいがちな、『科学コミュニケーション』のコミュニティに対しての警鐘です。
こういう見方は、地震研でずっと防災教育やアウトリーチ活動に取り組まれてきた大木さんだからこそ持てる重要な視点なのではないかと思います。活動をされていた土台の上にでてくる言葉なので、私たちにもずっしり重く響いてきます。
メーリングリストに流れていた、大木さんの言葉です。
「そういう見方や考え方(科学の等身大)を,人々にも実践してもらえるように促せたら,その時に初めて,社会の何かが底上げされるのではないでしょうか.私自身は,そのような意識で防災教育に取り組んでいます.」
信念を持った人の言葉は強く響きますね。
私が言うのも偉そうで、恐縮なのですが、これからの科学コミュニケーションのコミュニティを引っ張っていくお一人だと思います。
一方で、世間の注目を集めないし、認知度もないような分野(私がいる分野もそうです)は、研究をどのように伝えていけばいいのでしょうか。これはなかなか難しい問題だと思います。
ただ、大木さんの言うように、等身大の科学を伝えることで何か良い方向へ向かっていくとすれば、科学にまかせっきりにならない社会を作る、ということかなと思います。地震学の限界を知れば、自然とそれに頼らずに自分で判断する力を身につけようとする力がつくんじゃないかなと思います。
村上陽一郎さんの本を読んでいてでてきたんですが、
「科学の責任を社会にも分担してもらう」
という発想に似てるように思います。
科学は社会とは切っても切り離せないものだから、社会全体で科学を考えていくことがこれからは必要だと思います。