1000年間のENSOの記録

過去1000年間のENSO(エルニーニョ南方振動)に関する論文です。

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海洋に生息するプランクトン、浮遊性有孔虫の炭酸カルシウムの殻は、海底堆積物の中に残り、過去の情報を保持している。
過去1000年間について、西赤道太平洋のインドネシア沖の海域の海底堆積物コア(柱状サンプル)に含まれるを使って、ENSO(エルニーニョ南方振動)の頻度や強さを調べた。
水深100m付近はENSOの変動に伴って水温の変化が著しい。そこに生息する有孔虫の殻の酸素同位体比を1個体ずつの測定し、100個体程度の酸素同位体比の分布を調べることで、過去のENSOの頻度や強さが分かる。
その結果、過去1000年間では、エルニーニョの頻度(または強さ)は変わっていなかったことがわかったが、中世温暖期にはラニーニャが頻繁に起こっていた(もしくは強さが強かった)ことが分かった。

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Assessing El Nino Southern Oscillation variability during the past millennium

D. Khider, L. D. Stott, J. Emile‐Geay, R. Thunell, and D. E. Hammond

published 15 September 2011, Paleoceanography