最終融氷期の南極の変動
今月のnature geoscienceに、新しい南極のコアの解析結果が出ました。このTalos Dome coreは、ロス海近くの沿岸部で掘削された氷のコアです。
これまでは、南極の内陸部と沿岸部で最終融氷期の酸素同位体比の変動パターンが異なっている可能性が指摘されてきました。そのきっかけになったのが、Taylor Dome core。このコアからは、グリーンランドのパターンが示されました。
今回の結果からは、南極の沿岸部でも内陸部と同様に、グリーンランドとは異なる変動パターンをしていることが明らかになりました。よって、Taylor Dome coreの年代モデルは間違っていることが指摘されています。
最終融氷期のBi-polar sea-sawの概念が支持される結果になったと結論しています。
論文:
タイトル:Expression of the bipolar see-saw in Antarctic climate records during the last deglaciation
著者:B. Stenni et al.
Nature Geoscience 4, 46–49 (2011) doi:10.1038/ngeo1026