グリーンサハラのころ

またまた今月のnature geoscience から気候変動に関わる論文です。

アフリカ大陸の西側、北緯20度から南緯20度までで採取された海洋コアを使って、最終氷期からのアフリカ大陸の湿潤乾燥を調べています。

調べたのは、炭素の同位体比。δ13Cから、C3植物とC4植物の比で植生を推定しようというのがこの研究の目的です。C3とC4植物の植生の違いは、アフリカの雨季の期間との相関が強いそうです。
結果は、Middle Holoceneには南北にrain beltが拡大していたことと、雨季が長くなっていたことを示唆しました。
一方で、LGMとHS1では、rain beltが縮小し、かつ季節振動の振幅も小さくなっていたこと、雨季も短くなっていたことが示唆されました。

Rain beltが気候変動に伴ってどう動くか、アジアを見る上でも参考になりそうです。




論文:

Interhemispheric symmetry of the tropical African rainbelt over the past 23,000 years

James A. Collins, Enno Schefuß, David Heslop, Stefan Mulitza, Matthias Prange, Matthias Zabel, Rik Tjallingii, Trond M. Dokken, Enqing Huang, Andreas Mackensen, Michael Schulz, Jun Tian, Michelle Zarriess & Gerold Wefer

doi:10.1038/ngeo1039

Nature Geoscience
pp42 - 45