むつ科学技術館
実験を行いに海洋研究開発機構(JAMSTEC)のむつ研究所に行っていました。
津軽海峡を見下ろす下北半島にむつ研はあります。
なんとも寂しいところですが、一方で自然を目一杯楽しめるところでもあります。
むつには年に4〜5回行くのですが、いつも研究所とホテルの往復なので、今回はむつ科学技術館にお邪魔してきました。
むつ科学技術館は、JAMSTECのすぐ隣にあります。歩いて3分もかからないので、お昼休みにちょっと、という感じで行けます。
原子力船「むつ」がメインの展示です。
「むつ」は、たった4回の実験航海を行っただけで、今や研究船「みらい」に生まれ変わっています。
技術館では「むつ」の原子炉をそっくりそのまま展示してあり、一枚ガラスを隔てて本物の原子炉を見学する事ができます。
おお〜これが原子炉か!という感じでしたが、でもなぜ4回の航海だけで原子炉は取り除かれなければならなかったんでしょうか。
むつ市は、原子力船の受け入れ港として名乗りを上げましたが、原子力船「むつ」に故障があったときには何ヶ月も港に入港させてもらえなかったと言われています。
展示では、放射能漏れのことや、むつ市住民の反対運動や、負の遺産には触れられていませんでした。
科学館へと続く道沿いに(ほんとに科学館の隣に)、反対派住民の立て看板があったりと、なかなか難しい問題だと再認識しました。
私自身は、どちらかというと科学を推進する側にいる訳ですが、科学がすばらしいという考えは万人に共通することではもちろんないんですね。
特に、原子力の科学コミュニケーションは大変難しいものがあるということも聴きました。
しかし、皆が納得するようにということがどんなに難しくても対話が重要なことには変わり有りません。
科学技術とどうつきあうかは、私たち21世紀人類の大きな課題です。