二酸化炭素が高くなかった過去の温暖期

久しぶりに論文紹介です。
といっても1999年のnature のNews and Viewsです。。。

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次の世紀には、二酸化炭素の上昇によって地球の平均気温が2〜5℃上昇すると言われているが、実は中新世中期の1450万年〜1700万年以前は現在より6℃も気温が高かった時代である。
しかし、その時代の二酸化炭素は、アルケノンのδ13Cから復元された結果(Pagani et al., 1999)、180~290ppmだったことが示唆されている(現在は360ppm)。この二酸化炭素濃度が低いこととと気温が高いことは矛盾しているようにみえる。しかし、他の証拠からもpHの値が現在と変わらなかったことからも支持される結果である。このことは、二酸化炭素以外の水蒸気やメタンなどの温暖化ガスが気温の上昇に寄与していた可能性を指摘している。

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元の文献:
B. Flower, 1999, nature, vol399. "Warming without high CO2?"
Pagani et al., 1999, Paleoceanography, 14, 273-292.